金継ぎしたうつわの取り扱い

 

 

金継ぎしたうつわは、直す前と少し扱いが変わるかもしれません。

そういうと「うわ、面倒くさそう、、、」と思われることもありますが、慣れればそんなに難しいことはありません。

基本的には漆器と同じだと考えてください。

 

①薄めた洗剤とスポンジで流水かぬるま湯でさっと洗い、乾いた布巾で水分を拭いて乾かす。

②浸け置き洗いをしない。
③食洗機、電子レンジ、オーブンを使わない。
④クレンザーなどの研磨剤を使わない。
⑤極度に乾燥する場所(冷蔵庫等)での保管は避ける。
⑥直射日光のあたる場所にはなるべく置かない。
⑦重ねる場合は柔らかな布や和紙を挟む。
⑧硬いもので修繕部分を引っ掻いたりしない。
⑨直火にかけない。

 

「漆器なんてもっとわからない!」という方もいらっしゃるかもしれませんが、漆の塗面は人肌と似ています。

乾燥と紫外線が苦手で、引っ掻いたりすると傷になります。

「お肌に悪いことはしない」と覚えていただければ良いかもしれません。

 

また、お直ししても「もったいなくて使えない」という方がたまにいらっしゃいます。

大切にしていただいて、とても嬉しいのですが、再び使ってもらうために直すのですから、

できれば是非使ってください。

漆は温度20〜25℃、湿度70〜85%という環境で硬化します。

戸棚の奥にしまいこんで、乾燥した環境に置くことは、漆にとってはとても悲しいことなのです。

毎日のように使い、洗って水分補給をしてあげるほうが、漆も元気です。

これは漆器にも言えることです。

漆器はハレの日のものだからと、しまいこんでいる方も多いかと思いますが、それでは乾燥してしまいます。

普段からも使って、洗って水分補給をしてあげることが、何よりのメンテナンスになります。

漆器をお持ちの方、これを機に戸棚の奥から引っ張り出して、たまには使ってみてはいかがでしょう。